2012年開催のAJIAAアマチュアクラシック音楽コンクールで圧倒的な歌唱力で見事銀賞を受賞した
テノール 玉置 正彦氏より、コンクールや活動についてのレポートを頂きました。
伸びやかで確かな歌唱力、人を魅了する歌声はアマチュアの域を超えて現在も活躍中の注目の
歌手です。
自信が付きました。
一歩前へ踏み出す勇気が生まれました。
結果を恐れず行動してみると経験値が上がり次のステップが見えて
くることも分かりました。
コンクールへ参加が決まると:
日々の練習にそれまでにない熱意が湧き上がります。
本番では審査員の先生方にお聴き頂けるのだと実感するとしっかり歌わなければと言う身が引き締まる思いを感じ始めました。
結果としてこれ等が一層充実した日々の練習につながりました。
コンクールの当日には:
名前を呼ばれ舞台に出てお辞儀をしてお客様と視線を交わした途端に、
ご期待に添わねば!と言う不思議な「責任感」が湧いてきました。
歌い始めますとお客様の反応が手に取るように分かります。
どんどん感性が高ぶり五感が研ぎ澄まされました。
そして最初の数小節でご納得いただける様にその日の体調に合わせて
どんどん歌い方を微調整して参ります。
お客様のお力をお借りして、結果として練習では決して出ない音色や
歌い回しが出来上がって参ります。
つまり私にとってお客様は練習では得る事の出来ない貴重な物を授けて
頂く「神様」なのです。
そして審査員の先生方からは適格なコメントを文章で頂けます。
これは大事に持ち歩き練習会や演奏会場で見直し、姿勢を律する好材料
として活用させて頂いております。
またAJIAA様のコンクールはお聴き頂くお客様との距離が近く、
何人もの方が終わってから舞台裏の私の前にお並びになりました。
そして皆様から真っ赤なお目で私をしっかりと見据えられ
「感動しました!」とのお言葉を賜りました。
私にとっては正に「神様からの贈り物」でした。
これがAJIAA様のコンクールの一番素晴らしい所だと思います。
これ程までの熱いお気持ちを直に頂ける機会は他にあるでしょうか。
コンクールが終わって:
AJIAA様よりご招待頂いた演奏会では立派にコンクールでの学習
効果が働き満足ゆく結果を残すことが出来ました。
勢いに乗りそれまで福祉施設を中心にボランティアで歌っていました
宗教曲、歌曲、アリアやカンツォーネ等をまとめてリサイタルを開催
してみました。
当日は何と2曲目から目頭を押さえるお客様が御出になり私自身も感動!
普段出ないような声が出、初めて体験する不思議な力が体中にみなぎり、アッと言う間の素敵な2時間を体験しました。
その後のボランティア演奏会では自信が付いたせいでしょうかリクエストを頂くようになりました。
しかしそれ等は歌い易い曲ではなくむしろ難しく、取り上げるのを避けていた曲ばかりでした。
でもせっかく頂いたリクエストです、気を取り直し取り組んでみました。
すると何と歌えるではありませんか。
自分が渋っていた難曲が歌えるのです。
奇跡の魔法に掛かったようです。
やはりお客様は「神様」なのでした。
そして夢の様な2012年が過ぎ、心地よい脱力感に浸っていた2013年の
お正月のボランティア演奏会での事です。
古い曲でも良いもの、オールディーズからのリクエストを頂きました。
きれいな曲で馴染みもありましたのでお受けしました。
でもビックリ、オクターブの跳躍が有り音域も広く決して易しくは
有りませんでした。
しかしこれも歌いこなす事が出来ました。
これを契機に思い切って軸足をオールディーズなどに移してみました。
ハッと気が付くと20数曲がレパートリーに加わっておりました。
その殆どの曲は歌うとお客様がメロディーに合わせて大きく体でリズム
をお取りになります。それ程お楽しみになっておいでなのです!
今年は何処まで行けるかこの分野の曲を究めて見るつもりです。
コンクールで頂いた勇気を持ってオールディーズなる異文化をじっくり
と体験して見たいと思います。
そして来年は初心を忘れないようにとおそらく原点のクラッシックに
戻る事でしょう。
どうぞそれまで暖かくお見守り頂ければ幸いです。
これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
玉置 正彦